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ピアノの練習はじめました(再び)

2019.06.10 インストラクターだより

先日、Yasuがゴルフを練習し始めた記事をUPしたばかりで何なのですが、今回は私がピアノを始めた話です。

私の場合も、「再び」。

そもそも6歳で習い始め、最終的には高校時代にやめたのではないかなと思います。

  

友達に誘われて近所のピアノ教室に通い始め、子供ながらにどっぷりハマってしまった私。

クラシック音楽好きでバイオリンが趣味だった祖父が言葉巧みにおだててくれたため、小学生の頃は本気でピアニストになりたいと考えていました。

そして、小学校卒業ぐらいの頃かな?

当時の先生が「もし本気で目指すなら」とご自分の先生について習うことを勧めてくれ、音楽科のある高校への進学や音大受験を視野に入れたピアノ教室に移った気がします。

が、いざそういう環境で指導を受けてみると「いろいろな意味で自分にはプロになる才能がない」と自覚しましたし、その上で「一度音楽科に進学してしまうとその後の人生のつぶしが効かなくなる」という現実を直視。

この辺の迷いは自分でもよく覚えているのですが、どうも非常にシビアな中学生だったようで、悩んだ末に自分で決意して教室を辞めました。

  

その後、高校時代までは趣味として弾き続けていましたが、大学以降の人生は転居が多かったためにピアノを所有し続けることができず、それっきり。

結婚して10年前に電子ピアノを買ったものの、同じころ健康づくりのために始めたピラティスにどっぷりハマり、勉強と修行と開業で多忙になりすぎたため、ピアノはそれっきり。

しかし、そろそろ何か純粋に心の癒しになるような趣味が欲しい、と切実に感じた今日この頃。

ふと思い立って、再度ピアノを弾いてみることにしました。

  

(実は、あまりにも弾かないので近年は倉庫スペースに追いやられていた電子ピアノ様)

(趣味が欲しいならピアノでも弾けば?と言ったのは夫です)

(そして部屋を片付けてすぐに弾ける場所にピアノを移動させてくれたのも夫)

(何ひとつ自分で行動してないじゃん…)

  

鍵盤に触るのは数年ぶり。

ドキドキでしたが、楽譜もないのに恐ろしいほど身体が覚えていることにびっくり!

実際に楽譜を読もうとすると、読むスキルはとうの昔に衰えていたようで、「えーと、ここに線があって、音符が1個下がって1個下がって、ということはこの音?あれ違う?」みたいなひどい手探り状態。

読めなさすぎる…

えーーーい、ままよ!

ということで、何も見ないことにして適当に指を置いて動かしてみると、感覚だけでスラスラと一曲弾けちゃう自分に驚愕でした。

  
幼少期の鍛錬というのは恐ろしいもので、毎日飽きずに何時間も練習していたあんな曲やこんな曲は、鍵盤の距離を手と腕が覚えているし、旋律も耳が記憶しているため、何とか弾けてしまうという。

でも、単に身体が覚えているだけなので、1つの音をミスると「あれ、今どこ弾いてた?」と道に迷った状態になり、最初からまたやらないとダメだという。

こういう大昔に反復練習で習得した感覚って、あえて引き出そうとしなくても、脳のどこかにしっかり刻み込まれているんでしょうね。

無意識に引き出すことはできるけど、意識して引き出そうとするとなぜかできない。

しかも、当時苦手でミスっていた個所は、30年近く経った今でも無意識にミスってしまう。

これはもう、「ミスることそのものが脳にインプットされているんじゃないか?」疑惑。

人間の脳って本当に興味深いです。

  
そして、私が弾いている姿勢を後ろから見た夫が言うには、

「左肩が上がっていて右肩が下がる姿勢で少し身体をねじって弾いている」

とのこと。

それを聞いて、ハッ!!としました。

私の背骨には、若干の左凸と右への回旋が入った軽度の側弯的なクセがあり、ピラティスや各種ボディワークの指導を受けると必ず指摘されるので、長らく修正に取り組んできました。

おかげで今ではだいぶ直っているのですが、「一体何故・いつからこういうクセが身に着いたのか」がずっと疑問だったのです。

そうか、これは6歳から身体に馴染んでいた「弾きやすい姿勢」だったのか…(愕然)

身体が成長する時期に毎日何時間もそういう姿勢でいたわけですから、そりゃー背骨も変形するってもんです。

私の現在の仕事は「人の姿勢を見て直すためのアドバイスをすること」なので、もちろん自分の姿勢には常に意識を向けているし、良い姿勢を維持して動作を行うことがすっかり無意識の習慣になっていると思っていました。

なのに、ピアノを弾き始めたら「良い姿勢」なんて意識から完全に吹っ飛んでしまい、無意識に子供の頃から馴染んでいる「自分が弾きやすい姿勢」に戻ってしまったようです。

一度乗れるようになった自転車はずっと乗れるように、身体が習得したことはそう簡単に忘れないのですね。

いやー、脳って不思議!

  

そんなわけで、このところピアノに向かうのが楽しい日々を過ごしています。

仕事で疲れて帰宅しても、少しの時間でも無意識の世界に没頭すると頭がスッキリ切り替わり、とても癒されます。

私はショパンのワルツを弾くのが大好きだったのですが、クラシック音楽の癒しのパワーも素晴らしすぎ!

子供の頃どれだけピアノが好きだったのかという原点の感情を色鮮やかに思い出して、シンプルに楽しいです。

  
振り返ってみると、当時は子供だったとは言え、

「プロになれるのか」「その道で食べて行けるのか」

そんな現実的なことを考え始めた途端に、どこかで夢がなくなり楽しめなくなってしまったのが、挫折に至ったひとつの原因だったのかもしれません。

時を経て、40代半ばになった今では、

「結果を求めないこと・ただ楽しいという感情を心の底から味わうこと」

その大切さを知っている。

  
実は、ピラティスも「自分が癒される趣味」として健康のために始めておきながら、やはり「修行・仕事」という意識を持つようになったために、「純粋に心地よい・楽しい」という感情を味わえなくなってしまったと感じていた時期がありました。

正直なところ、年々「仕事として・ライフワークとしての情熱」は現在進行形で高まっていて、研究や学びは積極的に続けている一方、「自分がやって楽しむ」という感情の部分ではずっとリハビリ中だったりします。

だからこそ、子供時代のかけがえのない趣味だったものと再会して当時の感情を思い出すと、

シンプルに「楽しい」

と感じる瞬間を持つことがいかに大事なのか、しみじみと感じました。

打算や計算がないのはもちろん、目的や目標もなく、ただ「楽しい」「好き」と感じられるもの。

その方が長続きするんでしょうね、きっと。

  
***

ピアノの趣味、しばらく楽しんでみようと思います。

そして、コピーバンドのお手伝いで練習したガンズの「November Rain」をもう一回弾けるようになるんだー!

ついでに「Bohemian Rhapsody」も弾けるようになりたい!

というのが当面の楽しすぎる目標です。

この辺のバンドスコアは夫が全部所有していたので、ボチボチ練習に取り掛かってみる予定です。

楽しみ!

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