マシンピラティスか?マットか?(2)
前回「マシンピラティスか?マットか?」の記事で、マシンピラティスとマットピラティスを比べてどっちが良いかという話題に触れました。身体が変わる効果で言えば断然マシンピラティスです、という話をしました。
マシンピラティスの良さを幾つか挙げると、
- 身体を支える面や点が多い
- マシンの形(四角形・立方体)が与えてくれる身体や脳へのフィードバック
という話をしましたが、さらにピラティスのマシン独特の「バネの特性」があるという話もしました。
今回は、そのバネについてお話します。
日常生活で身近なバネ
バネというと何を連想しますか?大リーグ養成ギブス?(古っ!)
日常生活でバネそのものを目にすることは少ないですが、自動車のショックアブソーバー(タイヤの近くにあります)は巨大なバネです。
ホチキスの中やボールペンの中にも隠れています。
ピラティスのマシンについているバネとは形が異なりますが、洗濯ばさみやクリップもバネの一種です。
バネの特性とは?
このバネの特徴は、引っ張る(バネが伸びる)長さに比例して力がかかるということ。高校などの物理ではF=kxという数式で、力Fを求めるのにバネの伸びxに対して一定の値kを掛け算していました・・・。(数式アレルギーの人は、ここは忘れてください。)
長さに比例して力がかかるというのをトレーニングの世界で考えると
- 引き始め(動き始め)はほとんど力がいらない
- 引く長さが増えていくに連れて、力が必要になる
と言い替えることができます。
ピラティスがバネを好む訳
ピラティスのトレーニングでは、次のようなことを意識していただくことが多いです。
- 大きな筋出力、急な筋出力に頼りすぎないように動く
- 動く部分(可動させる部分)と動かない部分(安定させる部分)を区別する
大きな力や速い力は、スポーツなどにおいて特に必要となりますが、そうした動きだけをトレーニングすると、身体を支えるような小さな筋肉が意識されないままに終わってしまいます。
身体を支える筋肉は、上記(2)のうち動かない部分(安定させる部分)になります。
バネを使ったトレーニングでは、動き出しの負荷が軽いからこそ、安定させる部分を意識しながら可動させることが有効になるわけですね。
なので、ピラティスではマシンをガンガン動かすようなことはしません。筋トレ好きな方が、最初にやりたがる動作はNGです。上級者になるほど、身体を支える面を少なくして、体幹や肩、骨盤などを安定させながら動いていきます。これが前回お話しした「難しくできるのもマシンピラティスの利点」という話です。
マシンピラティスが良い理由
このバネの特性は、ゴムでも同様の効果が得られます。マットピラティスでもゴム(バンドやチューブなど)を使ったトレーニングができるので、同じメリットが享受できます。しかし、マットピラティスでゴムの一端を固定するのは困難な場合が多いので、マシンピラティスが圧倒的に有利だと考えます。また、ゴムで鍛えられる力とバネで鍛えられる力も大きく違います。
ちなみに、バネを使ったトレーニングとは異なるものに、ダンベルや重り(プレート、一般的な筋トレのマシンなど)を使ったトレーニングがありますね。それらのトレーニングにはそれぞれの良さがありますが、一度比較してみると面白いと思いますよ~。