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コラムcolumn

ピラティスと健康と人生
vol.33 / 2016.04.16 Nahoko

「コントロール」こそ、ピラティス!

こんにちは!Nahokoです。

いつも、グループレッスンの前には、「今日のレッスン中に意識していただきたいこと」をお話ししています。(※現在は、グループレッスンは行っておりません。)

話題の多くは「ピラティスをする上で大事なエッセンス」についてなのですが、最近特に重点を置いているのが

「コントロールする」

ということ。

コントロールという言葉は、「支配する」のようなちょっときつい意味合い(例えば「マインドコントロール」など)もあるのですが、ピラティスで行うコントロールとは

「自分の脳を使って操作する・制御する」

というニュアンスです。

「自分の動き、身体について意識を行き渡らせ、意思を持って行おうとすること」 とでも言いましょうか。

この「脳を使って・意識して・意思を持って」という部分が大事なんです。

  
元々ピラティスは、「コントロロジー(Contrology)」と呼ばれていました。
これはピラティス氏による造語なのですが、訳すと「コントロール学」になります。

「コントロール学」とは何なのか、ピラティス氏の著書を読んでみると、

・健康であるために、自分の身体を、自分の生活を、生き方そのものを、どのように制御・統制し、どのように管理していくか。
・そのためには何を意識すべきか。

こういった内容が書かれています。

ただなんとなく毎日を生き、ただなんとなく日常動作を行うのではなく、何を意識して、どのように行うか、つまり「頭で考える」という要素が入ってくるのがコントロロジーなんだと思います。

  
いわゆるピラティスのエクササイズはコントロロジーの一環として作られたものですから、コントロールとはいわば「ピラティスの原点」。

では、「ピラティスにおけるコントロールって具体的にどういうこと?一体何をコントロールするの?」という疑問が出てきます。

  
ひとりのピラティス実践者として私が思う「コントロール」とは、本当にたくさんあります。
呼吸も、背骨の動作も、視線の使い方も、中心に集中することも、あらゆることがコントロールだと考えています。

しかし、中でも特に私が「お客様にまず感じて・やってみていただきたい」と思っている、大事なコントロールをご紹介します。

ピラティスを数回体験し、基本的なイメージができたところで、さらにもっとピラティスの本質に近づき、ピラティスの世界を味わい、奥深さやエッセンスを感じていくための第一歩です。

  
◆力が入っている場所、力が入っていない場所を明確にする

人間の身体は、ある動きを行うために、使うべき場所と、使わなくてもいい場所があります。

しかし、何かの理由で、本来使われるべき場所を違う場所が補ってしまっていたり、必要もない場所が頑張って働き過ぎてしまっていたりします。

そうなると、動きが本来の自然なものではなくなり、非効率的、余計な緊張と疲労、出せるはずの効果が出せない、などといった結果になりやすいです。

非常によく見かける「要らない場所・無駄な力」の代表的な例は、首と肩。
今やろうとしているのは腹筋運動なのに、股関節運動なのに、手や肩、頬や首が必要以上に頑張ってしまう。
何をするにも肩にぐっと力が入ってしまう癖がついている方はとても多いです。

何故そうなってしまうのかは、置かれている環境、性格、心理状態などなど、様々な理由が考えられますが、理由はともかくまず第一歩は、「今どこに力が入っていて、どこは力が抜けているはずなのか」を感じてみること。

要らない場所が頑張っている状況に気づくことができたら、その場所のスイッチを思い切ってOFFにしてみる。

不要な力を取り除いてみたら、もっと楽に動けていたり、エネルギー消費が少なくなっていたり、鍛えたい場所にしっかり疲労が来ていたり、苦手だったものが意外とできちゃったり、といった新しい発見が出てきます。

使わなくていい場所を知っていく。
用途を明確にして、必要に応じて分けて使っていく。
これがコントロールです。

  
◆安定する場所、動かす場所に分けて使う

動きを効率的に、そして正確に行うためには、身体の中にしっかり安定している場所が必要です。

安定しているものとしてイメージしやすいものの代表が、体幹ですね。

スポーツの動きを見てもわかりますが、体幹の軸が安定しているからこそ、走る・蹴る・投げる・打つ・飛ぶといった動作が無駄なく、美しく、パワフルに行われるわけです。
軸がぶれてしまうと、精神状態もぐらつきますし、集中力もぶれやすくなる、という意味合いもあるかもしれません。

ピラティス動作には必ず「安定のために働く筋肉」があり、同時に「動作を行うために働く筋肉」が存在します。

ぐらつかずに安定している場所をまず作り、それを維持したまま、動作する場所にスイッチを入れ、動作が正しく行われるように意識を向けていく。

肩を安定させておいて肘を動かすとか、骨盤を安定させておいて股関節を動かす、といったような感じです。

何が安定していて、何が動いているのかを同時に感じてみる。
そこには、先に挙げた「力の入る場所・入らない場所を使い分ける」という要素も入ります。

感覚的に、安定と動作はそれぞれに必要な力の大きさが違います。
安定のために使う力が必要以上に大きすぎるとエネルギーロスですし、やりたかったはずの動作が硬くなってしまうこともあります。

丁度良く調整していくのが、まさにコントロールです。

これは、目まぐるしくストレスの多い生活を送っている現代人に必要な「生き方」にも応用されるのではないかな~と思います。
何があっても常にぶれずに安定している心の軸を持ち、生き方はしなやかに、力み過ぎずに。
そんなイメージでしょうか。

  

猫

  
こういったコントロールを意識しやすくするために、最近のグループレッスンでは「使う場所・使わない場所」「どこが安定していてどこが動いているか」をエクササイズごとに具体的にお伝えしながら動いていただくことも多いです。

結果、動きが見違えるほど良くなった方がいたり、今までできなかったことが急にできた、これまでとは疲労の感じが変わった、やっていることの意味がやっとわかった、という感想もたくさんいただいています。

コントロールこそ、ピラティス!

ぜひ意識して味わってみてくださいね~!

こちらの記事を読んで、ピラティスに興味をお持ちになった未経験者の方は
ぜひ体験レッスンにお申し込みください!