自分の身体を知る、それは自分を大切にすること
インストラクターのNahokoです。
2015年もあっという間に半分が終わってしまいましたね!
昨年のスタジオOPEN以来、ありがたいことに毎日レッスンに明け暮れる生活になって、それまでの人生以上に時間の流れの速さを感じます。
それだけ充実している、密度の濃い毎日なんだと思います。
日々ピラティスのレッスンをさせていただく中に、私が常に込めているメッセージがあります。
それは、
「自分の身体を知り、自分が身体をどう使っているかに気づく」
ということです。
忙しいとき、ストレスを抱えているとき、私たちは自分の身体にはなかなか意識を向けません。
以前、私自身も毎日終電近くまでデスクワークをするような会社員生活をしていましたが、時間に追われながら脳フル回転でパソコン作業をしているときに、今どんな姿勢でいるかを考える余裕なんて、当然ありませんでした。
身体に意識が向くのは、たいてい痛みや不快感の症状を感じてからです。
私の場合は、ひどい肩こりや慢性頭痛、頻発するめまいや吐き気に悩み、たくさんの医院や大学病院を周って検査を受け、ストレートネック状態であることが発覚したことで、猫背姿勢が原因なのではないか?という結論に至りました。
姿勢の悪さが体調不良を引き起こすなんて全く想像もしていなかった私は、ずいぶん驚きました。
「身体」の存在を重く考えるようになり、いかに自分が身体を軽視して雑に扱ってきたのかを反省しました。
その経験が今のピラティス指導者という道につながっているわけですが、こんな仕事をしていてもなお、多忙を極めてくると身体の声が聞こえなくなることがしばしばあります。
今の姿勢がどうなのか、どんな風に身体を使っているのか、身体のことが意識から消え、疲労や痛みを感じてからやっと思い出したりします。
そして深く反省し、また自分の生活で身体の使い方を見直し、いつしかまた忙しくなって身体を雑に扱い始め、また反省し… と、エンドレスで繰り返しているのかもしれません。
重要なのは、自分の身体の声を聞いてあげられるのは、自分だけだ、ということです。
自分が自分の身体のことを知らなければ、他の誰も気づいてはくれません。
自分以上によく観察して気づいてくれる奥さんやお母さんがいるならよいですが、そうでなければ、自分を気にかけて観察してくれるのは自分自身しかいません。
(そして、この「夫や子供をよく観察してくれる奥さんやお母さん」は、時として、ご自身のことは二の次で全然気にかけていなかったりします。)
気づいたときには病気になっていた、なんて全く笑えません。
よく言われることですが、身体はひとつしかありません。
何歳になっても、今後の人生を目一杯楽しんで生きていくためには、ひとつしかない自分の身体を大切に使い、状態のいいまま長く使っていくこと。
そのためには、「今の自分の身体は果たしてどんな状態なのか?」をこまめに知ってあげること。
よく動くのか、それとも意外に動かしにくいのか。
何かが弱っていて何かが過剰に働きすぎていないか、どこかに負担がかかりすぎて悲鳴をあげていないか。
いろんな身体の声に気づいて、今の状態を知って、原因が見つけられるなら改善方法を考え、使い方を見直していく。
こういうプロセスが、ひとつしかない身体を大切に使うことにつながっていきます。
身体を大切に扱うこと、それは自分を大切にすることに他ならないとも思います。
鏡を見て、二重顎だなとか、二の腕や太ももがたるんでるとか、脇腹に肉布団のような脂肪があるとか、そういうことに敏感でよく気づいている女性は多いですが、
(そりゃあ私も四十路なのでいろいろと気になる部位はありますが)
しなやかに動き本来のカーブを持っている背骨、自由に滑らかに動く肩や股関節。
丈夫な膝、力強い太ももの筋肉。
しっかりと身体を支える足の裏や足指、不安なく動ける腰。
重いものを軽々と持てる腕、細かく繊細な動きができる手。
重たい頭を支える強い背中、などなど。
身体は見た目の状態にばかり目を向けるのではなく、身体を構成している大事なパーツが、今どんな状態にあるのか、どのぐらい働けているのかという点にこそ、できるだけ頻繁に目を向け、気づいてほしい。
ピラティスとは、頭を使って身体を動かしてみるもの。
その動きができたかどうかではなく、
「動かしてみた結果、何を感じたか、気づいたか」
ピラティスをする時間をきっかけに、大切な自分の身体と向かい合ってみる。
ぜひそんな風にピラティスを活用してもらえたら、と思います。
自分の身体を知って、自分を大切にしていきましょう!