スキーと足首の屈曲
インストラクターYasuです。
今シーズンも菅平高原へスキーへ行ってきました。なぜ菅平かと言うと、「近い」「練習に適した斜面が多い」「晴天率が高い割に気温が低い」からです。
車で行くと近いですが、新幹線の駅からは遠いので、お客さんはほとんど日本人。インバウンドの恩恵があまりないみたいなので、まだ行ったことのない方は応援も兼ねてぜひ行ってみてください!(今年は、もう遅いかもしれませんね。)
さて、今年のテーマは「足首」です。
前半のお話は、普段スキーをしない方にも参考になるかもしれません。後半はスキー特有のお話です。
その前に足のアーチについて
先月、スタジオを臨時休業しましたが、Nahokoと一緒に足(足首より下の部分)のセミナーに行っていました。そこで、改めて「足のアーチ」について勉強をしてきました。
「足のアーチが必要」なのは言うまでもありませんが、足のアーチはつぶれることも必要なのです。
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と思った方はなかなか鋭いです!
足のアーチはつぶれることで衝撃を吸収
「足がつぶれる」=「土踏まずがない」と捉えがちですが、大事なのは「足がつぶれる余地を持っておくこと」。なので、前提として土踏まずは必要です。
なぜ、足がつぶれる必要があるかと言うと、足は着地の衝撃を吸収する役割があります。そして、足のアーチがつぶれた状態から元に戻るときに、地面を蹴る設計になっています。
僕もつい先日まで、「足がつぶれる」=「悪」と捉えていました。自分自身を根本から改める必要がありました。
では、足のアーチがしっかりある人は大丈夫かと言うと、足のアーチがしっかりしすぎていて「足がつぶれにくい」方もいます。せっかくアーチがあっても使えない状態となり、この場合も良くはありません。
アーチが動くことと足首との関係
アーチが動くためには、足(の構造)が柔軟である必要があります。その上で、足首そのものや膝下(脛やふくらはぎ)(の構造)が柔軟である必要もあります。
なぜかと言うと、足の筋肉の多くは膝下から足首を通ってつながっているからです。
ここで「足首」とは、膝下の骨と足の一番上の骨との間の関節のことを言います。距腿関節[きょたいかんせつ]と言われています。
膝下の筋肉などが緊張している場合は、筋膜リリースで緩めることができますが、足首(距腿関節)が硬い場合は、関節の構造を知って動きを練習すると良いです。(スタジオのお客さまで興味のある方、または必要な方はレッスンで聞いてください。)
プルークの弊害?
ここからはスキーの専門的な話になります。
初心者が練習するときや、基礎的な動きを練習するときに、プルークボーゲンがあります。足の「ハの字」にして滑る方法ですね。プルークとかボーゲンと略されます。
プルークはスキー内側のエッジを立てればブレーキがかかるので、リフトに乗るときなど無意識に使う便利な滑り方です。
ブレーキがかかるので初心者が最初に習うと言われています。「言われています」と言ったのは、実は日本では一般的なプルークですが、海外ではあまり習わないそうです。
さて、このプルークボーゲンですが、正しく教わることが少ないような印象を持っています。そして、スピードを減速するときに使うので、無意識に足首を緊張している人が多いのではないかと思います。
この癖がなかなか抜けられず、通常のパラレルターンでも足首を緊張させて滑っている人はいませんか?(ちなみに私はそうでした。)
足首は動かすものとして滑ってみよう
スキーブーツの存在も足首を緊張させる原因になります。硬いブーツに身を委ねて滑ることは安定感が得られます。
または、自ら身を委ねている訳ではなくても、ブーツをある程度の力で締めることが足首を緊張させてしまうことも起きていると思います。
ちなみに、スキーブーツは足首が少し動く設計になっています。その足首の動きは小さいですが、「足首は動かす場所」として認識すると滑る感覚は大きく変わってきます。
足首が動くと、足裏で雪面に荷重する感覚がより高まります。その反力が次のターンにつながるように使うこともできます。
雪上で事前情報なしで試すのは大変なので、足首の動きを学んでから試すと良いと思います。
スタジオの会員さんではない方は、「足首を固めない」ことをイメージして滑ってみてください。