今このときほど、「私の人生にピラティスがあって良かった」と思ったことはない
Nahokoです。
スタジオの営業を自粛して10日が過ぎました。
レッスンがなくなってヒマになるかと思いきや、意外とそうでもなく…
自粛期間の先が見えないため、オンラインで提供できるサービスを急いで準備していたり、「自宅でできるエクササイズマニュアル」の製作のため撮影やパソコン作業に没頭したり…
毎日、1日があっという間に過ぎていくような感覚です。
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自分の健康管理についてはというと、「栄養・睡眠・運動」、これがまず基本。
食事は栄養バランスに気を付けながら、夫が飽きないようにバラエティを考えつつ、毎食で頑張りすぎると疲れるので手抜きもしつつ。
睡眠は7~8時間取るようにし、私は長時間眠れてしまう体質なのでむしろリズムを崩さないよう気を付けて。
(私は、不安などで寝付けないときのための自己対処法を複数持っているので、しっかり眠れています。その話も今度ご紹介します)
そして、運動はもちろんピラティスです。
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私は元々呼吸器が弱く、昨年の秋には「咳ぜんそく」で入院したため、ウイルスに関係なかったとしても軽度の風邪すらも怖くて、咳が再び悪化しないかということが恐怖です。
(※ところで、重症化リスクの中に「慢性呼吸器疾患」が入っていたのでずっと怖かったのですが、感染症専門医の最新情報によると「気管支喘息」は重症化とはどうやら関係ないようですね。良かった~!)
現在もぜんそくをコントロールする薬と吸入を毎日使っていて、今年の春と秋の2回の花粉症シーズンを、咳発作を起こさずに乗り切ることができたら、薬を減らしていきましょうと言われています。
なので、花粉症の症状が出まくりの今が、まさに不安な時期。
しかも、30代の頃から春先は自律神経バランスが崩れやすく、持病のめまいや難聴が悪化するのが定番な時期でもあります。
その上、そろそろ更年期かなという年齢にさしかかり、2月から年齢を理由に元々続けていた婦人科の薬をやめなくてはならず、その影響でだるいとか微熱とか様々な体調不良症状が出やすくなっています。
こういう時期的な不安要因が3つも重なっていたところに、ウイルス騒ぎでダメ押し orz
ウイルス感染の初期症状はこれとこれ!みたいな情報が多すぎて、あれもこれもたくさん当てはまってしまう自分の体調変化に毎日おびえるばかりで、時には不安と恐怖の重圧で吐きそうになります。
自分はいったい1日に何度体温を測っているのか、と我ながらあきれます…
体温的には免疫力が高いとされる温度なので、数字を見る度に安心するのですが、1時間もするとまた測りたくなるので、もはや体温計依存症なのかも。
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以前からブログでカミングアウトしてきましたが、私は過労のストレスにより20代の頃に自律神経失調と言われ、それ以来、1年の中で体調が長く安定していることが少ないです。
(体調不良が通常営業、みたいなものですね…)
11年前にピラティスと出会い、日々続けるようになったのでずいぶん体調は改善し、年々風邪も引きにくくなってはきました。
以前に比べれば飛躍的に丈夫な身体にはなったけれど、加齢現象は当然ありますし、そこにぜんそくなど新たな疾患も加われば、常に元気いっぱいな健康体でいられるわけではありません。
体調に不安があると、自分に対する信頼を失いそうになります。
そして、体調が自分の思うように制御できないことから来る「恐怖、不信感」に襲われます。
元気でいたいと願っても、次から次へと不快な症状が襲ってくるのは、とても怖いことです。
もうダメなんじゃないか、どうせ無理だ、頑張れない、できないに決まっている、などといったネガティブな思考にとらわれそうになります。
自信がない・怖い状態になると、一歩も動けなくなってしまいます。
本当に体調が悪くて動けないのか、それとも気持ちが落ちてしまったから身体を動かすエネルギーがないのか。
動けない原因は、身体と心のどちらにあるのだろう?といつも考えています。
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そんなときには、ピラティスをするようにしています。
そして、今の自分の状態について感じ取ってみる。
たとえば、呼吸がどれぐらい入るか、筋肉はどこが伸びやすくどこが固まっているか。
それから、身体を手で触って確認してみます。
筋肉が硬くなってしっかり働いている、身体を支えている、動きを作り出している。
さらにどんどん動いて、自分の脳が指令を出して「やりたい」と思った通りに身体が動かせるかどうかを確認してみます。
長年行っている動作の中で、数年前の自分と今の自分を比べてみたりもします。
よし、やりたかった動きが思い通りに・狙った通りにできたとか、昔はこれが全然できなかったのに、今はこんなにできるようになっているとか、こんなに動ける、伸びる、広がるようになった、など。
動くことや伸びることは純粋に気持ちよいし、呼吸や血液の循環は身体につきまとっている不快な感覚を吹き飛ばしてくれます。
体調不良のときは、自分の身体が自分自身で制御できない「モンスター」のように感じられています。
そのモンスター的なものが、自分で「コントロールできるもの」「意識の制御下にあるもの」だと確認できると、不安は解消されます。
そして、「すごいじゃん、自分の身体!捨てたもんじゃないよね!」と自分自身をほめてあげたくなり、失いそうになっていた自信を取り戻すことができます。
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体調不良で気持ちが落ちているとき、まずはゆっくりとした基本エクササイズを行うのが私の習慣ですが、始めて10分もすると、気づけばどんどん中級・上級レベルの(見た目がアクロバティックな)ものに突き進んでいけたりすることが多いです。
上級レベルエクササイズは、行うのに初級から積み上げてきた身体能力が必要とされるのはもちろんなのですが、集中力と精神力を要するので、取り組むだけでも自分が強くなれたような気持ちになります。
終わった頃には、マイナスに落ちていた自己評価がかなりプラスに戻っていて、今の自分なら何にも負けないんじゃないかと思えるほど精神的な力が湧いていたりもします。
そんなときの気分は、「最高」のひとことです。
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今回のウイルス騒ぎだけでなく、地震や台風などの災害、または様々な病気など、これからの人生にはまだまだ困難が襲ってくるはずです。
生老病死=「四苦」という考え方があります。
病気や死はもちろん恐ろしいけれど、老いることも苦しいし、そもそも生きているだけで苦しみは多々あります。
四苦の一番最初に「生きる」が来ることはとても示唆的で、この世に生まれた瞬間から苦しみは始まっていて、あとは死に向かって日々老いていき、途中に病があって、最後は誰もが死に至るわけです。
何が怖いのか・苦しいのかと考えてみると、おそらく病気も死も老化現象も「自分ではコントロールできないから」怖いのではないかと思います。
災害も同じです。
どんなに医学やテクノロジーが発達しても四苦から完全に逃れることはできず、災害の恐怖からも逃げられません。
生きている限り「自分で制御できない困難なできごと」は次から次へとやってきます。
「制御できないものばかり」の人生で、自分が持っている武器は唯一「自分の身体」だけです。
そんな唯一の重要な武器である「自分の身体」に、自信が持てなくなったらどうなるでしょう?
この場合の自信とは、見た目の自信という意味ではなく、自分は生き抜けるかどうかという動物の本能的な自信のことです。
いくつになっても、どんな困難な環境におかれていても、自分は大丈夫、頑張れる、という自信。
制御できない人生を生きていくためには、そんな心のエネルギーが必要なのだと思います。
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つまりは、「マインドフルネス」ということです。
(個人的にこの「マインドフルネス」という言葉が流行りすぎて軽く感じられそうな気がするので、コンセプトを別な表現で書こうと思いました)
マインドフルネスのツールにはヨガや瞑想法などがありますが、ピラティスももちろんとても有効です。
私にとってのピラティスとは:
今ここにいる自分を、今の自分の状態を、確認すること。
自分には、身体を制御できる力がある、と確認すること。
その力があれば、どんな恐怖や困難にも立ち向かえる、頑張れる、明日も前に進める、という心のエネルギーを取り戻すこと。
不透明で不安定な状況になってしまった今このときほど、自分の人生にピラティスという、「心身のエネルギーを生み出すツール」を持っておいて本当に良かったと思います。
そして願わくば、このピラティスというツールを、多くの方が持っていてほしい。
そんな思いで、ピラティスを提供する仕事をしています。