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筋膜解剖ライブストリームのウェビナーに参加して

2020.09.04 指導のくふう

Nahokoです。

先月、5日間の日程で「アナトミートレイン筋膜解剖ライブストリーム」というウェビナーを受講しました。

運動指導者である自分にとって、いつの頃からか抱いてきた夢は「実際の人体の中が見たい」ということでした。

人間の身体をより正確に理解したい。
正しい知識に基づいた指導がしたい。

人の身体に携わる仕事をするにあたり、どのお身体もその方自身にとって大切なものである以上、いい加減で無責任なことはできません。

自分の発言や判断がどんな根拠に基づいているのか、いつでも責任を持って説明できる人間でいたい。

要約すると、そういう思いです。

 

何かとセミナーでお世話になっているKinetikosさんが、毎年コロラドで筋膜解剖クラスを開催されているので、いつかは絶対参加したいと思っていたのですが、そこにはいろいろなハードルがあってなかなか実現させることができず…

ところが、コロナによって今年は現地での解剖クラスが開催できなくなったため、思いがけずオンラインで配信していただけることになり、この貴重な機会を逃すわけにはいかん!と思った次第です。

オンラインの配信実現には、たくさんの困難があったことと思います。
素晴らしい学びの場を提供してくださったKinetikosさんに心から感謝しています。

 

ここ数年、アナトミートレインは書籍とセミナー参加で学び続けてきましたが、予備知識が浅いとせっかくの解剖クラスの内容についていけないかもしれない…

というわけで、申し込んだその日からセミナーまでの1ヶ月半ぐらい、書籍をもう一度全部読み直しました。

アナトミートレイン

私が持っているのは第2版。

解剖学アトラスコンパクトは、筋肉や骨などについて細かく整理されており、書籍を読むときには辞書として大活躍です。
日本語・英語(というかラテン語)名称の両方が同時に頭に入るので、英語セミナーに参加する前の予習にも大変便利。

私は、セミナーが英語で行われるときはできるだけ通訳に頼らず講師が話す内容をそのまま理解したいので、解剖学用語を英語で暗記する努力をここ10年地味~にずっと続けております…

 

5日間の解剖クラスの感想は、とても簡単にまとめられるものではなく、全てが驚きであり、こんなすごいものをこの目で見ていることが信じられないとも思い、言葉にしにくいほど心に響くものがたくさんありました。

どれだけ本を読んでも暗記しにくいと思っていたものが、立体的で具体的な映像となってどんどん頭に入ってくる気がして不思議な感覚でした。

セミナー参加の翌日から、レッスンを指導していて、人の身体や身体の動きが全く違う深さやイメージを伴ったものとして具体的に「見える」感じがしました。

 

実際に見て学べて良かったことはたくさんありすぎて語りつくせないのですが、日頃の仕事に直結することをいくつか挙げてみると…

「癒着」という現象が実際にどういうことなのか、何が起きているのかがわかりました。

運動指導者は何かと筋肉や骨に着目しがちなのですが、浅層の組織の重要性を理解できました。

怪我や障害の多い肩関節や股関節、仙腸関節について、複雑なレイヤー構造が3Dで見られたのも感動しました。

身体はパーツではなく、全てがつながりの中にあり、階層には意味があり、お互いに影響し補完しているというイメージが深まりました。

 

こういった身体に関する正しい理解は、指導の現場では非常に役に立ちます。

たとえば、身体の使い方を説明するときに、より正確なイメージが伝わるわかりやすい言葉や表現を、人の真似ではなく自分の理解の中から作り出すことができます。

また、クライアントの動きを観察して、何が起きているのか、どこに問題があるのか、できるだけ速く正確に推測していくスキルにつながります。

 

そして、これは個人的にとても嬉しく思っていることなのですが、

「クライアントの身体に関する様々な悩みや困りごとに対して、何かを言ってあげられるスキルが上がる」

ということ。

最近こんな状態なんだけどとか、これってどうしたら改善するのかとか、医者に行くべきなのかとか。

または運動しても大丈夫なのか、実際に運動してみたときにこんな違和感があるんだけど、など。

こういうお悩みは、誰に相談していいのかわからない、家族にも言いにくい、けれども自分ひとりではどうすべきか判断できないということも多かったりします。

医者に行く前の身近な存在として、気軽に相談に乗りながら、様々な現象に対してある程度正しい根拠に基づいた推測をして、今後何に取り組むべきなのかアドバイスをしたり、必要であれば早めに一度医療機関を受診すべきであるとか、運動をどう続けていくかなどの提案もする。

ひとことで言えば「よろず相談窓口」なのかもしれませんが、これが日本のような超高齢化社会では今後とても重要な役割であるという話を、以前に参加した「高齢者の運動指導」というセミナーで聞きました。

私たちのような「身近にある運動施設のトレーナー」は、そういったよろず相談窓口的存在として、これから活躍して行ってほしいとのことで、私にとっては何故だか妙にその話が心に残っています。

 

身体のことは何でも当事者にとっては深刻な問題で、だからこそ早めに気軽に話すことができ、相談できる相手って、とても大事。

相談を受けるのであれば、やはり無責任な返答はできないし、安易に何かを勧めたりもできません。

「指導の現場」では、何かを相談されることは日常茶飯事です。

身体に関して、運動だけに限らず様々な側面から知識や理解を深めておくことは、トレーナーの職務の一環ですし、お客様から信頼してもらい、いざというときに頼ってもらうためにも必要なことなのだと思っています。

 

5日間のセミナー、貴重な学びでした。

今月もまた、アナトミートレインのセミナー受講を予定しています。

今からとてもとても楽しみです!

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